2008-01-01から1年間の記事一覧

"Batman"(1989) / Prince

今となっては、音源だけでは読み取れないコンテキスト、と言うか、この時代('87〜'89)の背景を書いておくと、こんな感じです。 "Sign 'O' the Times"*1が商業的にも大ヒット、クオリティ的にも大絶賛('87年) その勢いで、"The Black Album"*2を作るが、ボツ…

"The Black Album"(1994) / Prince

これが出た'94年当時は、Prince名義としては最後と銘打った"Come"*1、3枚組のベスト盤"The Hits & The B-Sides"*2、インディからのシングル'The Most Beautiful Girl in The World’を出したりした*3時で、「とにかくWarner Bros.と契約切りたくて仕方ないん…

"Sign 'O' the Times"(1987) / Prince

世間で言われる「殿下の最高傑作」「80年代ロックの金字塔」な2枚組み'87年作。 映画も併せて、凝りに凝った構成の前作*1が、セールス的にイマイチぱっとせず、映画も大コケ、ツアーも赤字だった、と言う傷心の殿下は、バックバンドThe Revolutionを解散させ…

"Parade"(1986) / Prince & the Revolution

多分、殿下の最高傑作。 「多分」と書いたのは、これに比肩するアルバムは何枚かあるし、いまだに1〜2年に1枚の間隔で、これに近い水準のアルバムを出し続けている殿下だから、いつか越えてしまうアルバムを出してしまうんじゃないか、と言う気もしてるので…

"Around the World in a Day"(1985) / Prince & The Revolution

前作*1で大スターの地位を手にした殿下が、その独自のクリエイティヴティと、底意地の悪さを大全開にした、'85年作。 今聴くと、これ以降「プリンスっぽい」と形容される、音作りやメロディは、ここで完成されたような気がします。 バンドが最もまとまってい…

"Purple Rain"(1984) / Prince & The Revolution

前作*1で、ファンク/ディスコの先鋭として、ポップチャートを制覇したPrince(殿下)が、ブラックとロックの聴衆が分かれてしまった'80sの音楽事情を逆手に取り、「スタジアム・ロック」時代の到来を迎えた年(前年Bruce Springsteen*2とJourney*3が大ヒットし…

"1999"(1982) / Prince

前々作*1、前作*2に露だった、エキセントリックで、露悪的で、攻撃的な部分は抑制され、ポップなダンス/ソウルフルな側面が強調され、大ヒットを記録した、2枚組みアルバム'82年盤。今になって思うと、一旦トリックスター的な振る舞いで、耳目を集めておいて…

"Prince"(1979)

邦題『愛のペガサス』が、今となっては微苦笑を誘うのですが、音を聴くと、そう間違ってない、と思えてくる位、全体的にメロウ&ロマンティックな1枚なのです。1stアルバムのセールスがイマイチだったPrince(以下"殿下")が、「俺だって、ヒットなんて簡単に…